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エヴィスというブランドの存在から模倣という行為は切り離すことはできません。
今では世界的なアパレルブランドとなったエヴィスですが、元はデザイナー・山根英彦氏が愛用していたリーバイス501のパロディから始まりました。
少し太めのシルエットに、昔ながらの製法、ヒップポケットのインクによるカモメマークのペイント、赤字に白くEVISと書かれたポケットのタブと、これら全てにジーンズの原点と呼ばれるリーバイス501の模倣が含まれていることは、周知の事実と言えるでしょう。
また名前もLevi’sのLを取るだけでエヴィスになるため、混同されやすいとして、エヴィスは過去にはLevi’sから公式に忠告を受けており、現在では英語表記をより日本語に近いEvisuにする等の条件のもとブランドを展開しています。
インスパイアを受けるもととなったLevi’sの許可が、条件付きとはいえ出たこと以外にも、日本ブランドの武器とも言える高い品質が備わっていたことが、エヴィスのこの後の活路を開く大きな要因となりました。
エヴィスのジーンズは、1本2~3万円と決して安くはありません。それは、昔ながらの糊あてされた糸と帆布用力織機を使って、時間をかけて丁寧に織り上げられた高品質のデニム生地を使っているからです。
この高品質のデニム生地こそが、長期に渡って着用することで、ヴィンテージ風の使い古した風合いや色落ちを自分好みに作り出すことを可能にしました。
そして、エヴィスは、現代のジーンズでありながら、ヴィンテージのように愛着が持て、生涯にわたって愛用できるジーンズのブランドとして知られるようになったのです。
エヴィスは、大阪土着のブランドといった親近感を失わない国内のイメージとは裏腹に、パリ、ミラノのコレクションにも登場するなど、海外にも精力的に展開してきました。
単なる作業着であったジーンズを、ファッション界の一角を担うアイテムにまで押し上げたエヴィスの功績は大きいと言えます。
商品もジーンズのみならず、シャツや靴にまで及び、海外での勢いは、ユニクロなどと同等と言っても良いでしょう。特にロンドンでの健闘は目覚ましく、ユニクロと一緒に、度々日本のメンズファッションを代表して欧米の業界紙にも取り上げられています。
ロンドンのサヴィルロウ通りは、古くからテーラーが建ち並び、英国貴族や文化的な著名人が足繁く通ってオーダーメードスーツを仕立てるところでした。
しかし、現在ではアパレルチェーン店が進出し、エヴィスやアバクロンビー&フィッチのようなお店が取って代わろうとしています。
大通りに面した大きな直営店をはじめ、セルフリッジやハーベイニコルズといった高級百貨店にも販売スペースを確保し、H&Mなど国際的にも伸び盛りなブランドと肩を並べ健闘を見せている日本のブランドには、エヴィスやユニクロだけではなく、MUJI(無印良品)などもあります。
細かに計算されたデザイン性と、確かな品質を全面に出す日本のファッションが、このように世界で活躍することは頼もしいことです。
しかし、所詮大手ジーンズメーカーのパロディと過去に揶揄されたエヴィスが、確かなブランドとして確固たる地位を築いた今、今度は模倣される立場となったのです。
韓国でのエヴィスジーンズ模造をめぐる事件は何度かテレビのニュース番組で特集されているので、ご存知の方も多いことでしょう。
ヒップポケットのマーク、ロゴ、EVISUという名前、そして安価で粗悪なデニム生地、全てにおいて、インスパイアの域を超えた悪質なノックオフであると、エヴィスの関係者は息巻いていますが、韓国側は悪びれる様子もなく、自身の正当性を主張しています。
それを受け、日本のエヴィスジーンズが韓国裁判所に訴えを出したのが2008年11月下旬のことです。
この判決は、結果によっては間違いなく今後の日本のファッション業界を揺るがすもとのなるでしょう。
ファッション業界における模造問題は、世界的にも年々深刻化してきているため、この判決は大きな注目を集めそうです。